「2位じゃだめなんです」 スパコン富岳の開発現場に足りないもの

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聞き手・奈良部健
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 スーパーコンピューターの計算速度ランキングで、日本のスパコン「富岳」は世界トップレベルに立っています。その性能のカギを握るのが半導体。富岳の研究開発に携わり、現在も次世代スパコンやデータセンターなどに向けた先端技術開発を続ける富士通先端技術開発本部の高木紀子さんは、半導体の開発現場で、それでもまだ足りないものがあると感じています。

 ――理化学研究所と富士通のスパコン富岳は、計算速度は2位になりましたが、ビッグデータ解析の性能などでは7連覇しています。

 「どのように動くかを決める半導体の論理設計が私の仕事です。計算の速さはもちろんですが、富岳の技術を多くの企業や組織に広く使ってもらえるよう、開発で意識したのは『使いやすさ』です。実際、新型コロナ対策では、飛沫(ひまつ)拡散シミュレーションや創薬など多くの分野で、スパコンは活用されています」

1位を目指すべき理由

 ――かつて蓮舫参院議員が先代のスパコンの巨額予算について「世界一になる理由は何があるんですか。2位じゃだめなんでしょうか」と言ったことが注目されました。この問いにどう答えますか。

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 「いや、1位を目指すべきだ…

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