最高裁の違憲判断にトランス当事者は評価 「自分の体と心で生きる」

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田中恭太 三井新
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 心と体を傷つけることなく、望む性で生きていきたい――。戸籍上の性別変更で手術要件の一部を違憲とした最高裁の決定を、当事者たちは「ようやく動いた」と評価した。一方で、別の手術要件の判断は先送りになり、申立人側は悔しさもにじませた。

 「性別変更は今回の審議ではかなわず、先延ばしになってしまったことは非常に残念です。今回の結果が良い方向に結びつくきっかけになるとうれしく思います」

 申立人のトランス女性は最高裁の決定を聞き、代理人を通じてコメントした。2019年に男性から女性への性別変更を家裁に申し立てていた。

 最高裁は今回の決定で生殖機能を失わせる手術要件を無効としたが、変更する性別の性器に似た外観を求める「外観要件」については、高裁での審理やり直しを求めた。代理人の南和行弁護士は、外観要件も違憲だと訴えてきたことから、「一番良い結論にたどり着いていない。とても悔しい」と話した。

 ただ、15人のうち3人の裁…

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この記事を書いた人
田中恭太
国際報道部
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