15日、米サンフランシスコ近郊で、アジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせ、約1年ぶりの米中首脳会談が開かれました。米中対立はなぜ深まってきたのか。何が首脳会談の焦点なのか。詳しく解説します。
【連載】アメリカ大統領選2024 覇者の焦り
来年に大統領選を控えるなか、混迷をきわめる世界と向き合わなければならない米国。外交を動かす底流となってきたのが、冷戦終結後に手にした覇権が揺らいでいるという「焦り」の感覚です。その実像を描きます。
Q 米中はなぜ対立しているのか。
A 冷戦終結後、中国は米国主導のグローバル化の波に乗り、急激な経済成長と軍事力の増強を続ける一方、習近平(シーチンピン)国家主席の下で、民主化への締め付けを進めた。トランプ米前政権期に、軍事とも密接に関わる先端技術をめぐり、米中の覇権(はけん)争いが激化した。
米国は、軍事転用の恐れがあるとして、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)などへの輸出規制を強めたほか、中国の知的財産侵害を理由に制裁関税をかける「貿易戦争」を仕掛けた。
バイデン現政権は中国に対す…