残業拒否を会社に通告した労組委員長 「情けない」とつぶやいた真意
空港カウンターでの受け付けから、飛行機の荷物の積み下ろしまで、飛行機の運航に欠かせない「地上業務(グランドハンドリング)」で、深刻な人手不足が起きている。
なにせ辞める人が多い。
たとえば地上業務のうち、旅客対応を担うスタッフ。国土交通省のまとめによると、国内主要61社は今年4~8月、計1575人を採用した。一方で同期間の離職者は、888人にのぼった。
忙しすぎることが、その背景にある。
コロナ禍で各社とも「休眠状態」になって人員を絞ったところから急に路線が復活したため、人手の確保が追いついていない。
その状況の中、地上業務の国内大手4社のひとつ、スイスポートジャパン(大阪府泉佐野市)の労働組合が今月、「労働環境がこのままなら、12月から残業を拒否する」と経営側に通告した。いまもギリギリの交渉を続けている。
「過労死や事故死といった問題を防ぐには、これしかなかったんです」。スイスポートジャパン労組の新城正樹・執行委員長(49)は言う。
現場で、なにが起きているのか。
――どんな業務を担っている…
- 【視点】
今年10月の訪日外国人数は、コロナ前の水準を超えました。しかし、国交省によれば、グランドハンドリング人員数は、コロナ前と比べて1-2割減少したままです。とくに(羽田・成田などの)都市部の空港で、人員の戻りが遅れています。 人手が足りな
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