第5回「宝塚は『できません』が言えない世界」 音楽学校から始まるルール

有料記事すみれの花、その陰に 問われる宝塚歌劇団

河合真美江 土井恵里奈 玉置太郎
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 宝塚歌劇団兵庫県宝塚市)に入団するには隣接する宝塚音楽学校で2年間、歌唱や踊り、演技を学ばなければならない。自宅から通えない生徒は「すみれ寮」に入って共同生活をし、通学する。

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夢の舞台に立った劇団員は、なぜ亡くなるに至ったのか。華やかな舞台の陰にある問題を見つめます。

 音楽学校には、数年前まで生徒間に受け継がれてきたルールがあった。

 先輩が乗っているかもしれない阪急電車に向かってあいさつをする。

 上級生の前ではみけんにしわを寄せて口角を下げる。

 上級生には原則「はい」「いいえ」などといった言葉のみで返事をする……。

 2000年代に同校で学んだ歌劇団OGは、「爆弾ノック」を強く記憶に残している。

 すみれ寮の一室に1年生(予科生)が集められると、2年生(本科生)がノックをして1人ずつ呼び出し、「私語をした」などといった指導をする。大勢の本科生に囲まれて指導を受ける生徒もいたという。

「私ばっかり悪者じゃん」

 校内の掃除は場所を一人一人わりあてられた。自分の「分担さん」(掃除場所で同じ担当の本科生)に掃除用具を隠されることもあったが、「みんながされることでいじめだと思ったことはなかった」。先輩と楽しく話せる「おゆるし」という時間もあった。

 自分が本科生になると、「同…

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この記事を書いた人
玉置太郎
ネットワーク報道本部|大阪駐在
専門・関心分野
移民・外国人
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    白川優子
    (国境なき医師団看護師)
    2023年12月4日12時0分 投稿
    【提案】

    看護師も上下関係が大変厳しい世界です。憧れて看護の世界に入る人たちも多いと思いますが、1人前の門をくぐるためには「しきたり」として上下関係の厳しさが待っているのも現実です。(嬉しいことに現在はだいぶ改善されているという話も聞きます)。人の命

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  • commentatorHeader
    西岡研介
    (ノンフィクションライター)
    2023年12月14日13時30分 投稿
    【視点】

    関係者の証言によって浮き彫りになる〈睡眠やトイレといった生理現象を我慢してでも優先されるルールがある集団生活〉。問題は、なぜ25歳の劇団員が自ら命を絶つまで、この〝異常な世界〟が報じられなかったのか、だ。〝事件〟が起こってから動くのなら、捜

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