すべてを包み込む 大西麻貴さんと百田有希さんの「愛される建築」
編集委員・大西若人
設計事務所「o+h」を共同主宰する建築家の大西麻貴さん(40)と百田(ひゃくだ)有希さん(41)にとって2023年は実りの年だった。実作では国内で最も注目される日本建築学会賞(作品)を受け、展覧会では世界最大規模の建築展、ベネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館の展示を任されたのだ。2人が唱える「愛される建築」とは――。
山形市の農地に囲まれ、二つのドーム状の屋根がこんもりと丘陵地のように連なった建物。この山形市南部児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」が今年の建築学会賞を受けた。
内部では、体育館と大型遊技場のスペース、多目的室などが主にスロープによって有機的に途切れることなく連なり、足を踏み入れた瞬間に柔らかく抱かれる感覚と期待感が訪れる。子供たちは走り回ったり、ロープをよじ登ったり。
「愛される建築」 目指した理由は…
昨年完成のこの建物にも「愛…
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