月を拓け! 小型ロボットに託されたインフラ整備 進む建設技術研究

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鈴木智之 玉木祥子
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 月探査が活発になり、今のところ2025年にもアポロ計画以来となる人類の月面着陸が予定されている。月を開発する時代を見すえ、地球とは異なる環境にインフラを整備し、人が住むために必要となる建設技術の研究が進んでいる。

小型ロボットで月面を整地できるか

 ロボットがアーム先端の熊手部分で砂をかく。物体を検知すると、砂の中から岩石をかき出した。この岩石を熊手ですくい上げようとトライするも、失敗。数回のチャレンジの末、岩石をすくい上げて、目標の回収箱に投入。ミッションを完了した。

 これは、将来の月面探査で小型ロボットによるインフラ整備をめざした実証実験の様子。このロボットに搭載されたAI技術を開発した奈良先端科学技術大学院大の松原崇充教授によると、岩石に当たったときの力学情報を頼りに、砂に埋もれた岩石の大きさや形を判断するという。松原さんは「想定以上に人が集まってロボットも緊張しているのかもしれませんね」。

 実験は7月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の相模原キャンパス(神奈川県相模原市)にある月面を模した施設で報道陣に公開された。東京大などの研究チームが、5種類の小型ロボットの性能を確認した。

 米国主導で月の有人探査をめざす「アルテミス計画」が進み、今後ますます月面探査が活発になっていく。探査のためには、宇宙船や着陸機が離着陸できる拠点が必要だ。先に小型ロボットを月に送り、月面の凹凸を平らにして、安全な離着陸ができる場所を整備する構想だという。

 また、月面への輸送コストを考慮し、大型の機械ではなく小型の軽量ロボットによる作業を想定しているという。

 整地には、岩石除去のほかに…

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この記事を書いた人
鈴木智之
科学みらい部|大阪駐在
専門・関心分野
科学、交通、難病