第11回ラオスのニンニクとキウイが日本産救う? 元協力隊員と実習生の挑戦

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シェンクワン県=武石英史郎
【動画】ラオスで進むニンニクとキウイの実験=武石英史郎撮影
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 古代の巨大な石つぼが点在するラオス北東部シェンクワン県の世界文化遺産ジャール平原。ここで、日本の国産農作物を将来救うかもしれない実験が進行中だ。

 首都ビエンチャンから車で約9時間、標高約1200メートルの高原地帯。夏の気温はせいぜい30度で、冬の今は5度近くまで下がる。

一皿から見える世界(8)

日本の食卓は、世界とつながっています。世界各地で取材する特派員が、食材にまつわる物語を追いかけます。後半には食材のメモもあります。

 夜明けは南国とは思えない冬の空気と、やかましいほどの鶏の鳴き声とともにやってくる。日が昇ると、稲刈りが終わった水田で牛たちがわらをはむ。東南アジアというより、日本の農村の原風景だ。

 実験に携わるのは、香川県徳島県の農家55戸でつくるファーマーズ協同組合が派遣した元青年海外協力隊員の宍戸孝行さん(43)と、ラオス人の元技能実習生ルアン・センサワンさん(46)。

 栽培するのはニンニクとキウイ。何の関係もなさそうな組み合わせだが、日本では近年、共通の問題に直面してきた。

 農林水産省によると、日本では野菜の約8割を自給しているが、その種や苗の約9割を実は輸入に頼っている。

 そんななか、四国の農家が目をつけたのが、ラオスだった。

 ニンニクは「種球」と呼ばれ…

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この記事を書いた人
武石英史郎
アジア総局長|東南アジア・南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
アジア、グローバルサウス

連載一皿から見える世界(全12回)

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