新演習の前触れ? なぜ、北朝鮮は「空飛ぶレーダー」が欲しいのか

有料記事読み解く 世界の安保危機

牧野愛博
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 米ミドルベリー国際大学モントレー校ジェームズ・マーティン不拡散研究センターのデッカー・エベレス研究員は昨年11月30日、平壌近郊の空港で奇妙な機体を発見した。古くさい北朝鮮の航空戦力に不釣り合いな、最新鋭の装備を目指しているようにも見える。北朝鮮は一体、何をしようとしているのか。

 エベレス氏が米民間衛星会社「プラネット・ラボ」から手に入れた衛星写真には、旧ソ連製の大型輸送機「イリューシン76(IL76)」が写っていた。機体の上部には大きな構造物が写っていた。まるで、IL76の上部にレーダーシステムを搭載した早期警戒管制機(AWACS=airborne warning and control system)「A50」にそっくりだった。

 AWACSは、地上のレーダーでは確認できない低高度や遠方から侵入する航空機、ミサイルをより早く探知できる。味方の戦闘機の後方で戦域の状況を把握し、味方を指揮できる。

 だが、北朝鮮の戦闘機は老朽…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
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    小泉悠
    (東大先端科学技術研究センター准教授)
    2024年1月11日10時49分 投稿
    【視点】

    我々の研究チームも平壌空港のIl-76にレーダーらしきものがついたことを衛星画像で確認しています。ただ、北朝鮮のIl-76に載っているレドーム(レーダーを収めるドーム)らしきものはソ連のA-50や米国のE-3などと比べて非常に小さいという特

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