実家は年収300万円台 東大生は訴える「一般入試を減らさないで」

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聞き手・吉田純哉
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 推薦や総合型(旧AO)での選抜が増え、一般試験の入学者が5割を切った大学入試。しかし、世帯年収300万円台で東京大学に入った現役東大生ライターの布施川天馬さんは「一般入試を減らさないで」と訴えます。入学して痛感した思いや、その背景とは。

 僕は、父が飲食の自営業、母がパートの家庭で育ちました。世帯年収は300万円台で、学費の面から私立大学への進学は厳しく、東京・足立の自宅から通える国公立を探して東京大学を志望しました。

 現役時代は、実力テストがわりに受けた明治大学も落ちました。ドラッグストアで週3回アルバイトをしながら予備校に通い、1浪で一般選抜型入試で合格しました。

東大に入って痛感した「推薦組」との差

 両親は「やりたいことがあれ…

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この記事を書いた人
吉田純哉
オピニオン編集部
専門・関心分野
スポーツ、文化、教育
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    磯野真穂
    (東京工業大学教授=応用人類学)
    2024年2月13日7時30分 投稿
    【視点】

    コメンテーターの富永京子さんがすでに他の記事で言及していますが、こちらもハーゲン・クー『特権と不安』を思い起こさせる記事です。 本書では、韓国の富裕層が本記事で言われる推薦や総合型選抜を通過するため、親が大量の投資をして早いうちから子ども

    …続きを読む
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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2024年2月13日12時5分 投稿
    【視点】

    体験格差という言葉があります。 習い事やスポーツの経験、家族旅行など、学校外で体験の機会があるかどうか、子どもによって格差が生じていることを表す言葉です。 体験格差には親や保護者の収入が影響していることはしばしば指摘されています。2022年

    …続きを読む