「復興を支えたい」 警視庁の警察官、ふるさとの福島へ「永久出向」
増山祐史
東日本大震災の被災地の岩手、宮城、福島3県警には、全国の警察から永久出向してきた警察官が計85人いる。「復興を支えたい」と第二の警察人生を歩んでいる。
福島県警いわき中央署の警部補、市川哲央(のりお)さん(48)はそのひとりだ。2001年に警視庁に入庁。警察署の地域警察官や機動隊として働いた。
震災が起きた時、市川さんは東京都内の自宅にいた。テレビが映し出す津波の映像は現実とは思えなかった。いてもたってもいられなかった。
11年末、被災地の警察に期限付きで派遣され、復興支援や治安維持を担う「特別出向」の募集があった。市川さんは福島県白河市出身。「このまま東京でただ見守るだけというのはできない」。迷わず志願した。
当時は2歳と生後数カ月の姉妹の育児中。原発事故への不安もあり、妻は当初反対した。話し合いを重ね、最後は思いを尊重してくれた。家族4人での赴任が決まった。
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