公正取引委員会が22日、米グーグルを対象に独占禁止法に基づく行政処分を行った。業務提携相手であり、市場のライバルでもある旧ヤフー(現LINEヤフー)との間で何が起きていたのか。公取委も長年察知できなかったその実態とは。
公取委がつかんだ「端緒」
「ヤフーとの広告取引が出来なくなった」
複数の関係者によると、インターネット広告市場について情報収集していた公取委の職員らがそんな話を耳にしたのは今から数年前。違和感を抱き、水面下でさらに調べたが、広告業界の関係者は一様に口が重かったという。
ヤフー側に接触すると、打ち明けられたのは耳を疑うような内容だった。グーグルから広告配信の事業を一部制限されている――。
ヤフーとグーグルは国内のネット広告市場を分けあうライバル同士。唯一のライバルの事業をなぜ制限できるのか。この矛盾の背景だと公取委関係者がみているのが2010年に始まった両社の業務提携だ。
察知できなかった公取委
ヤフーは10年、米ヤフーの…
- 【視点】
DPF(デジタルプラットフォーム)事業者への法執行の一端を明らかにした点で貴重な記事だと思います。競争法関係にとどまらず幅広い政策テーマでDPF事業者への法執行の強化が求められている中、相対的に執行能力の高い公取委の現状が明らかにされ、今後
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