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外交官、銭湯で男子生徒を盗撮 認めたが立ち去り 背景に不逮捕特権

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御船紗子 板倉大地 比嘉展玖
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 在日シンガポール大使館の男性参事官(55)が2月、東京都内の銭湯で18歳未満の男子生徒を盗撮した疑いで、警視庁に任意で事情聴取されていたことが捜査関係者への取材でわかった。参事官は外交官を名乗り、現場で盗撮を認めたが、警察署への同行は拒み、その場を立ち去った。事件は立件に至っていない。

 外交官には逮捕などの身柄拘束や裁判が原則免除される特権がある。参事官はシンガポール国籍で、事件当日の後は事情聴取は実施されていないが、すでに役職を離れたという。参事官は同大使館で幹部に当たる役職。

 複数の捜査関係者によると、参事官は2月27日夜、東京都港区にある銭湯の男性脱衣所で、スマートフォンを使って未成年の男子生徒の裸を撮影した疑いがある。

 銭湯側が110番通報し、駆けつけた警察官が参事官のスマホを調べたところ、脱衣所内で撮影したと思われる男性客の裸の写真が複数見つかった。「自分が撮ったことは間違いない」と認めたという。

 警察官が署への任意同行を求めたが、参事官は「ここでの質問には答える」と話したものの、署へ行くことは拒否。男子生徒の保護者が、盗撮した写真を消去するよう要望したところ、その場で自ら消去した。他の銭湯でも盗撮行為をしていたと警察官らに明かし、消去した写真は、当日までの半年ほどで撮影したという約700枚に及んだという。

参事官「後悔している」 外交官に特権の理由は

 銭湯の防犯カメラには、参事…

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    末冨芳
    (日本大学文理学部教授)
    2024年5月2日7時36分 投稿
    【提案】

    【日本国民の安全確保のためにも犯罪者外交官の氏名・顔写真を公表すべき】敢えて一保護者の視点からコメントします。外交官というだけで日本での性犯罪が許される、怒りを禁じえない方も多いのではないでしょうか。銭湯の勇気ある通報にも関わらず不逮捕特権

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    パトリック・ハーラン
    (お笑い芸人・タレント)
    2024年5月2日18時30分 投稿
    【視点】

    外交特権。外交官が他国からの不当な圧力を受けずに職務を果たせるための、とても合理的で大事な制度だが、その悪用は決して許されない。  外交官とその家族で合計15万人ほどの外交特権対象者が在住するアメリカでは、一時期、悪用が蔓延していた。特に罰

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