赴任校の忙しさ、実習先の「3倍速」 新人教師が8カ月で辞めた理由
編集委員・氏岡真弓 山本知佳 本多由佳
各地の教育委員会や文部科学省が、公立学校の若手教員の支援策を次々に打ち出している。学校現場では、新卒でも学級担任など責任の重い業務を担うことも多く、サポートが不十分な状態に置かれて心を病むケースが後を絶たない。若手支援の強化が喫緊の課題となっている。
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「教育実習で行った小学校が『1倍速』だとしたら、赴任した学校は『3倍速』だった」。昨年、関東地方のある県に教員として採用されながら12月で退職した男性(24)は言う。
実習校は小規模校で、他の教員も丁寧に教えてくれた。だが、教員として赴任した学校は大規模校。職員室に教員は多いが、「パソコンに向かう背中が『忙しいので声をかけないで』と言っているようだった」。
退職を考えている教員2年目の女性にも話を聞きました。記事後半では、若手の離職・休職に悩む自治体が打ち出している対策や、国が検討している支援策も紹介します。
■怒濤のような4月の忙しさ…