第2回毎日浴びせられるため息 「妻が不機嫌で…」悩み語れない夫の世間体
四国地方の50代男性は、年上の妻と職場の飲み会で出会った。四半世紀ほど前のことだ。
大きな声でハキハキと話し、しっかりしているところに好感を持った。付き合って1年ほどで結婚し、特に問題もないように思えた。
だが数年後、妻の態度が目に見えてとげとげしくなった。
原因に心当たりはあった。娘が生まれ、専業主婦の妻はワンオペ状態で新生児の世話にあたっていた。
「本当はあのとき、もう少し手伝えればよかったんですけど。育休を取れる時代でもなかったし……」
子どもは寝付かず、夜泣きもたびたび。男性があやしても状況は悪くなるばかり。育児をひとり任された妻は、産後うつのようになり、心身ともに疲弊していた。
医療従事者の男性は、深夜に帰ることがしばしばあった。
帰宅してドアを開けたり、部屋の明かりをつけようとしたりすると「なんでこんな時間に帰ってきた? 子どもが起きるだろ」と詰められるようになった。少しでも物音を立てたら、舌打ちをされた。
妻は、次第に不機嫌を隠さないようになった。
並んだ調味料、少しでもずらすと
大きな音を立ててドアを閉め…