第2回毎日浴びせられるため息 「妻が不機嫌で…」悩み語れない夫の世間体

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 四国地方の50代男性は、年上の妻と職場の飲み会で出会った。四半世紀ほど前のことだ。

 大きな声でハキハキと話し、しっかりしているところに好感を持った。付き合って1年ほどで結婚し、特に問題もないように思えた。

 だが数年後、妻の態度が目に見えてとげとげしくなった。

 原因に心当たりはあった。娘が生まれ、専業主婦の妻はワンオペ状態で新生児の世話にあたっていた。

 「本当はあのとき、もう少し手伝えればよかったんですけど。育休を取れる時代でもなかったし……」

 子どもは寝付かず、夜泣きもたびたび。男性があやしても状況は悪くなるばかり。育児をひとり任された妻は、産後うつのようになり、心身ともに疲弊していた。

 医療従事者の男性は、深夜に帰ることがしばしばあった。

 帰宅してドアを開けたり、部屋の明かりをつけようとしたりすると「なんでこんな時間に帰ってきた? 子どもが起きるだろ」と詰められるようになった。少しでも物音を立てたら、舌打ちをされた。

 妻は、次第に不機嫌を隠さないようになった。

並んだ調味料、少しでもずらすと

 大きな音を立ててドアを閉め…

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この記事を書いた人
山本悠理
デジタル企画報道部
専門・関心分野
現代詩、現代思想、演劇・演芸、法律学
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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2024年12月17日21時32分 投稿
    【視点】

    フキハラ、最近よく耳にするようになりました。 記事で紹介された男性の場合、専業主婦の妻の娘が生まれたときのワンオペがきっかけに、現在の状況が生じていると認識されています。 この記事を読んで思い出したのが、野原広子さんの「妻が口をきいてく

    …続きを読む
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    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2024年12月21日20時43分 投稿
    【視点】

    大変な状況ですね。 この記事から判断すると、妻の方が相当「病んでいる」印象があります。 きっかけは、確かにワンオペ家事だったのかもしれません。そして、その非は夫である男性にあるのかもしれません。 でも、その後の何年もの対応があまりにも

    …続きを読む

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