政府、能動的サイバー防御導入に向け議論本格化 米国の強い要請も

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鬼原民幸 田嶋慶彦 千葉卓朗 松山紫乃
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 「能動的サイバー防御(ACD)」導入に向け、政府が議論を本格化させた。7日に有識者会議をスタートさせ、早期の法整備を目指す。ACDは防衛力の抜本的強化の一環で、導入を米国が働きかけてきた経緯もある。ただ、「通信の秘密」を規定する憲法21条との整合性やプライバシー侵害への懸念は強い。国民の理解を得るためには議論の透明性が求められる。

 「戸が開いていれば虫が入る。虫の発生源を見つけ駆除しなければならない」。7日に首相官邸であった有識者会議。関係者によると、有識者の一人はサイバー攻撃を虫に例え、ACDの必要性を強調した。

 ACDは発電所や公共交通システムなどの重要インフラに対するサイバー攻撃を事前に防ぐため、平時から相手のシステムを無害化する能力だ。政府は2022年12月に閣議決定した安全保障関連3文書の「国家安全保障戦略(NSS)」に「能動的サイバー防御を導入」と明記。3文書改定で保有した「敵基地攻撃能力」同様、防衛力強化の柱の一つだ。

 日本は「ハッキング天国」(…

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この記事を書いた人
鬼原民幸
大阪社会部|社会サブキャップ
専門・関心分野
国内政治、外交安全保障、社会保障政策