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　現職検事が証人として次々に出廷する異例の手続きが11日、大阪地裁（小田真治裁判長）で始まった。学校法人の土地取引を巡る業務上横領罪で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、無罪となった不動産会社元社長が「捜査は違法だ」と国に賠償を求めた裁判。初日は取り調べが問題視された2人が証言台に立ち、「不穏当だった」などと述べた。

　この日の冒頭、「プレサンスコーポレーション」元社長・山岸忍さん（61）の元部下の取り調べの録画映像が約５分間、法廷で再生された。

　担当検事（52）が元部下に「あなたはプレサンスの評判をおとしめた大罪人」と迫る場面もあった。元部下は逮捕後の取り調べで山岸さんを「共犯」と証言するに至ったが、山岸さんの刑事裁判では、この映像をもとに「共犯」証言は否定され、無罪につながった。

　出廷したこの検事は、取り調べ中に机をたたいたのは「（元部下が）悪びれる様子もなく平然とうそを言ったから」で、「検察なめんな」と発言したのは「真摯（しんし）に取り調べに向き合ってほしかった」からと説明した。

　「不穏当だった」としつつ、原告側から「やむを得なかった？」と問われると「まあそうですね」と応じた。「いまも有罪だと思ってるか」という問いには「答えを控える」とした。

　続いて山岸さんの担当検事（55）が出廷した。取り調べで「私が弁護士だったら絶対黙秘なんて言わない」と述べた理由を問われると、「言い分をちゃんと言ってもらいたい。それで事実が明らかになると思っていた」と答え、黙秘権侵害には当たらないと強調した。

　山岸さんは閉廷後、元部下の担当検事が「山岸さんの有罪を十分維持できる感覚があった」と述べたことに触れ、「怒りで体が震えた。じゃあどうして控訴しなかったのか」と語気を強めた。

　14日には捜査を指揮した主任（51）と「逮捕は待った方が」と主任に進言したとされる検事（46）が出廷し、18日には再び主任が出廷する。