「検察の在り方」は変わったか 改革に携わったジャーナリストの危惧

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聞き手・川村さくら
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 大阪地検特捜部が手がけた業務上横領事件をめぐり無罪となった不動産会社元社長・山岸忍さん(61)が国に賠償を求めた訴訟で、ジャーナリストの江川紹子さんが14日、捜査を指揮した検事らが出廷した大阪地裁証人尋問を傍聴した。

 2010年に同特捜部の郵便不正事件で無理な取り調べや証拠改ざんが発覚し、その後に発足した「検察の在り方検討会議」で委員を務めた立場から、「反省が生かされていない」と司法への憤りを口にした。

     ◇

 予想していた以上にひどい内容だった。証人の検事たちは原告側代理人の質問を理解できないかのように振る舞って時間を費やしたり、証言拒否を繰り返したりした。

 何度も国側の代理人に視線を送り、これは話していい内容かと確認しているように見える場面も多々あった。

 在り方検討会議の提言を受けて、検察改革は進んだはずだった。だがこの日の尋問で、原告側が「郵便不正事件を受けた研修などはなかったのか」と聞いても、検事は「記憶にない」と返答した。教訓が継承されていないことにあきれてしまう。

裁判所も寛容すぎないか

 検察改革の中で、捜査が適切…

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この記事を書いた人
川村さくら
ネットワーク報道本部|大阪駐在
専門・関心分野
人権、差別、ジェンダー、サブカル