第2回「お母さんに会いたい」ロシア兵は泣いた 警察が持ちかけた戦場行き

有料記事最激戦地 ロシア・突撃兵の証言

ウクライナ東部ドネツク州=杉山正
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 刑務所に行くか、戦場に行くか――。

 ロシア兵の男性(28)は今年2月、選択を迫られた。大麻所持容疑で逮捕された直後。「ロシア軍に入隊する契約書にサインすれば、刑事手続きはしない」。警察はそう持ちかけてきた。

 首都モスクワの東1千キロ弱、ロシア・タタールスタン共和国の小さな街の出身。2人で暮らす母のことが頭に浮かんだ。「刑務所に行くことで、失望させたくない」。入隊に応じることにした。手続きでは、戦闘経験のない者は前線で戦うことはなく、物資を運ぶだけだとの説明を受けた。

 ウソだった。

【連載】最激戦地 ロシア・突撃兵の証言

「最も困難な状況」。ウクライナのゼレンスキー大統領は、東部ドネツク州の前線についてこう表現しています。ロシアが兵士を大量投入し、攻勢を強めているためです。一方、現場のロシア兵は何を思い、戦うのでしょうか。この最激戦地で捕らえられたばかりのロシア兵3人が取材に応じ、攻勢の裏側にある悲惨な実態を記者に証言しました。

 しかも、訓練は名ばかりのも…

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この記事を書いた人
杉山正
ヨーロッパ総局長
専門・関心分野
国際政治、紛争、外交、民主主義
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    クレ・カオル
    (フォトジャーナリスト)
    2024年6月30日12時57分 投稿
    【視点】

    進軍中にウクライナのドローン攻撃にあって負傷したロシア兵が、後ろから来た別のロシア兵に頭を打たれて始末される映像を見ました。ロシア軍の司令官にとって、これでウクライナ側がドローンを一つ失った、としか思っていないだろうか。 囚人、家族のいな

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    浅倉拓也
    (朝日新聞記者=移民問題)
    2024年6月29日12時48分 投稿
    【視点】

    戦争はあちこちの遠い国で起きていますが、この記事に引き込まれるのは、これまで聞いたり読んできたりしてきた日本兵の話と重なるからでしょうか。「ウクライナに捕まれば拷問され、殺されると聞かされてきた」というところも。 これだけ国の人々を粗末にし

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