「鬼滅の刃」をイメージした刀も 津波から復活の職人が語る刀匠の今

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東野真和
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 人気漫画「鬼滅の刃」にも登場する日本刀の刀鍛冶(かじ)が、岩手県の三陸沿岸にもいる。全国でも数少ない職人で、ひと月に1、2本を仕上げる。熱のこもる作業場を訪ね、仕事ぶりを見せてもらいながら、刀匠を取り巻く現状を聞いた。

 宮古市南部の海に近い高台の作業場。カンカンという音とともに火花が散り、重さ1キロを超す真っ赤な鉄の塊が少しずつ平らになっていく。岩泉町産のマツの炭の中に突っ込んで、熱しては取り出し、機械やハンマーで打ちつける作業を黙々と繰り返す。

 「高熱での作業なので、1日5時間が限界」と話すのは、この道半世紀の辻和宏さん(70)。「陸中和吉」の名を持つ。辻さんによると、全国に日本刀を作れる刀鍛冶は約200人で、実際に作っているのは50人ほど。これで生計を立てているのは30人ほどしかおらず、辻さんはその一人だ。

 日本刀の材料は、砂鉄を日本…

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この記事を書いた人
東野真和
釜石支局長|震災復興・地方自治担当
専門・関心分野
震災復興、防災、地方自治、水産業