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　前に進めないほどの人混みのなか、カップルたちが手をつないで歩く。それが、同性でも、異性でも、誰も気に留めない。4月下旬、東京・代々木公園ではＬＧＢＴＱ＋の当事者や支援者が集う東京レインボープライドが２日間にわたって開かれていた。

　「レインボープライドはもちろん知っていました。これまでも参加したかったけれど、いつかカミングアウトして、堂々とした状態で来たいと思っていました」

　毎年開かれるこのイベントに、與真司郎さんは初めて来場した。14歳から芸能活動をしてきた與さんは、昨年7月に自身がゲイであることを公表。日本ではカミングアウトをする芸能人が少ないなか、大きな反響があった。

　この日のメインイベントは、代々木公園から渋谷を通って行進するパレード。1万5千人の参加者が、列をつくって準備するなか、與さんはその先頭に立った。出発すると、後ろに続く仲間たちや沿道からパレードを見る人たちに、にこやかな表情で手を振った。でも、40分ほど後に代々木公園の楽屋に戻ってくると笑顔は消えていた。

　「温度差を感じちゃったんで…