月面着陸、米国人以外初はなぜ日本に? 鈴木一人教授が読み解く背景

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聞き手・佐々木凌
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 「アルテミス計画」で、日本は米国から2人の月面着陸の機会を与えられることになった。米国人以外で初でもある。多くの国が関わる計画で、なぜ日本が選ばれたのか。交渉の背景やその意義について、東京大の鈴木一人教授(国際政治経済学)に読み解いてもらった。

 ――なぜ米国は、「米国人以外初」に日本人を選んだのだと思いますか?

 第1に、ロビー活動を熱心に頑張ったことがあげられる。内閣府が「首相直轄」の案件として交渉に当たったことで格が上がり、交渉を有利に進められたのだろう。

 人類が月面に足を踏み入れてから約半世紀。再び月面着陸をめざす米国主導の「アルテミス計画」で、日本人宇宙飛行士2人が月面に降り立つことが今年4月、日米両政府で合意されました。宇宙飛行士や識者らが展望や課題を語るインタビューをお届けします。

 第2に、米国と覇権争いを繰り広げる中国の存在だ。

 中国は2030年までに独自…

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この記事を書いた人
佐々木凌
科学みらい部|宇宙担当
専門・関心分野
宇宙、原発・エネルギー、災害・防災
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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年7月21日1時44分 投稿
    【視点】

    今年4月の日米首脳会談で合意された(実際はそれ以前に合意されていた)日本人宇宙飛行士の月面着陸について解説しました。しばしば宇宙は国際協力の場であり、平和利用の場だと考えられているが、宇宙だけ国際政治から切り離されることはない。国際宇宙ステ

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