月面着陸、米国人以外初はなぜ日本に? 鈴木一人教授が読み解く背景
「アルテミス計画」で、日本は米国から2人の月面着陸の機会を与えられることになった。米国人以外で初でもある。多くの国が関わる計画で、なぜ日本が選ばれたのか。交渉の背景やその意義について、東京大の鈴木一人教授(国際政治経済学)に読み解いてもらった。
――なぜ米国は、「米国人以外初」に日本人を選んだのだと思いますか?
第1に、ロビー活動を熱心に頑張ったことがあげられる。内閣府が「首相直轄」の案件として交渉に当たったことで格が上がり、交渉を有利に進められたのだろう。
人類が月面に足を踏み入れてから約半世紀。再び月面着陸をめざす米国主導の「アルテミス計画」で、日本人宇宙飛行士2人が月面に降り立つことが今年4月、日米両政府で合意されました。宇宙飛行士や識者らが展望や課題を語るインタビューをお届けします。
第2に、米国と覇権争いを繰り広げる中国の存在だ。
中国は2030年までに独自…
- 【視点】
今年4月の日米首脳会談で合意された(実際はそれ以前に合意されていた)日本人宇宙飛行士の月面着陸について解説しました。しばしば宇宙は国際協力の場であり、平和利用の場だと考えられているが、宇宙だけ国際政治から切り離されることはない。国際宇宙ステ
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