何をするための権限なのか。十分な説明もせずに押し切った政府の姿勢には問題があったと今も感じている。
先の国会で成立した改正地方自治法のことだ。個別法に規定がなくても国が自治体に指示できる内容は地方の自主権を損ね、同法の趣旨を変える恐れがある。振り返ると、政府は地方が強く反対しないと最初から見ていたのではないか。
5月に東京であった改正に反対する集会で、中央学院大教授で元消費者庁長官の福嶋浩彦さんが、同庁での自治体とのやり取りを紹介した。消費者と事業者のトラブルに関する関連法の解釈についての問い合わせで、自治体が法解釈にも責任をもつ自治事務と説いても「そこをなんとか」という。同庁が「あくまで一般論」と言って答えると、自治体は「言質をとった」と安心するという。
「国の見解を知るのはよいと…