激増する観光客、日本の対策は「対症療法」 アムス、バルセロナでは
電車やバスを待つ長蛇の列、多くの人でごった返す名所、ポイ捨てされたゴミ――。増えすぎた観光客への対応に国内の観光地が苦慮している。
どのような対策があるのか。どうすれば観光客と住民が互いに過ごしやすくなるのか。観光と地域の暮らしについて研究する堀田祐三子・和歌山大教授に聞いた。
京都などでは交通機関の混雑やゴミといった問題で、住民の日常生活に支障が出ている状況があります。広島県の宮島など、観光地として歴史のある地域でも同様の問題が起きつつあります。こうした問題はコロナ禍前に顕在化しました。その後、コロナ禍で観光客がいったん激減し、再度急増したので、その落差をより大きく感じているという部分があるでしょう。
観光の仕方が変化していることも影響しています。通常の観光スポットだけでなく、住民の生活するエリアを歩きたいという人が増えています。地域の人たちの生活や文化を知ろうとするのは、重要なことです。ただ、地域側からすると、そうした人たちを受け入れる経験が浅く準備が整っていない。急に知らない人が入ってくる不安感はあって当然です。一方で観光に関わる事業者からは、住民と観光客の間にあつれきが生じると「観光客に敬遠されると困る」という声も聞きます。両者の声に耳を傾けつつ、慎重に対策をしていく必要があります。
アムステルダム、バルセロナ 対策に共通する「目的」
対策の手法は複数あります…
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら