全国の保護司の1割「活動に不安」 安全確保へ「複数人で担当」拡大

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久保田一道
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 保護観察を担う全国の保護司のうち、1割近くの1480人が活動に何らかの不安を感じている。大津市で5月に保護司の男性を殺害したとして保護観察中だった男が逮捕された事件を受け、法務省が実施した聞き取り調査から、保護司が置かれた状況の一端が明らかになった。同省は当面、保護観察対象者を複数の保護司が担当したり、同省職員の保護観察官が直接担当する案件を増やしたりといった対策を進める。

 法務省が26日公表した。事件に関連して退任を申し出た保護司が10人、新たに保護司として委嘱する手続き中に辞退した人が16人いたことも明らかにした。また、調査では、安全確保への不安がある一方、「保護観察対象者は危険」といった風評が広がることや、保護司のなり手確保が難しくなることを危惧する声もあったという。

不安の中身、「自宅での面接」が最多

 調査は、男が殺人容疑で逮捕…

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この記事を書いた人
久保田一道
東京社会部|法務省担当
専門・関心分野
法制度、司法、外国人労働者、人口減少
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    磯野真穂
    (東京工業大学教授=応用人類学)
    2024年7月30日11時17分 投稿
    【視点】

    保護司について少し調べてみました。法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員ではあるものの、完全なボランティアで、そこで課される業務は、例えば保護観察期間中にある対象者との月2回の面接、平日の研修会への参加、報告書の郵送などがあるそうです。

    …続きを読む