高校生が開発に携わった人工衛星は手のひらサイズ 米国から宇宙に

有料記事

渕沢貴子
[PR]

 佐賀県内の高校生たちがアイデアを出し、開発にも携わった手のひらサイズの超小型人工衛星(キューブサット)「SaganSat(サガンサット)0号機」が日本時間の5日午前0時過ぎ、米国から宇宙に打ち上げられた。ロケットから切り離された輸送機で国際宇宙ステーション(ISS)に届けられ、来月上旬までには日本の宇宙実験棟「きぼう」から宇宙に放たれる予定だ。

 県立宇宙科学館(武雄市)で行われたパブリックビューイング(PV)に集まった高校生らは、打ち上げ10秒前からカウントダウンをしながら、米航空宇宙局(NASA)の中継映像を見守った。打ち上げは前日の予定だったが、悪天候で直前に延期が決まり、PVは2度目だ。

 スペースX社のロケットが炎を噴き出しながら上昇すると、拍手と歓声が上がった。第2エンジンが分離し、ISSに向けて輸送機が遠ざかっていくのを見届けた武雄高校2年で科学部部長の前田実日子(みかこ)さん(16)は「先輩から受け継いできた成果が宇宙に出て本当にうれしい」と笑顔を見せた。

 サガンサット0号機の開発は、県が宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、宇宙教育を通じた次世代の育成を目指す「JAXAGA(ジャクサガ)スクール」の一つとして、2021年度から4年計画で始まった。まず宇宙で何をするかのアイデアを募り、8校の計11チームから唐津東、武雄、早稲田佐賀のアイデアが選ばれた。

 唐津東は、キューブサットの2面に360度撮影できるカメラを取り付け、宇宙空間を体感できる720度(全球)の写真を合成する。武雄は、地球を赤外線カメラで撮影し雲の量や分布を大雨などの災害予測に役立てる。早稲田佐賀は、宇宙の放射線を測定して音に変換し、地上の測定データの音と比較。宇宙と地球との違いを音で表現する。

 唐津東には北陵が、武雄には…

この記事は有料記事です。残り787文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません