「24時間テレビ」は偽善なのか? 47年目でチャリティーの原点に
日本テレビが毎年放送している「24時間テレビ」。昨年発覚した不祥事もあり、8月31日~9月1日にある今回は原点に立ち戻るという。源流と日本のチャリティーの在り方をたどった。
「メディアで行う社会貢献という意味では、チャリティーを継続していくことに大きな意義がある」。日テレの石沢顕社長は7月の定例会見で強調した。
昨年、日本海テレビの幹部による寄付金の着服が発覚。批判が高まる中、今年の放送を発表。テーマに「愛は地球を救うのか?」と疑問符を付けた。
24時間テレビの歴史は、1978年にさかのぼります。ただ次第に視聴率は低下。92年に転機がありました。
24時間テレビは、1978年に始まった。高度経済成長を経て様々な社会問題が表面化した時代だった。「寝たきり老人にお風呂を!身障者にリフト付きバスと車椅子を!」と掲げた初回は総合司会を萩本欽一さんらが務め、娯楽を中心に手塚治虫さんのアニメやドキュメンタリー、衛星中継などで構成した。
「クイズ世界はSHOW byショーバイ‼」などを手がけた日テレ顧問の小杉善信さんも携わった。アメリカの番組をヒントにしたとも言われるが、小杉さんによると、深夜番組「11PM」で社会派の企画も手がけた日テレの都築忠彦さんのオリジナル。当時の報道には「日常とは違うテレビ」をめざしたとある。
深夜は放送を休止し、特別番組を編成することも珍しかった46年前のテレビで、24時間の生放送は画期的。グランドフィナーレの会場となった代々木公園には、人が押し寄せた。総額11億円もの募金が集まり、視聴率は15・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。
しかし、次第にマンネリ化も指摘され、91年には視聴率も6・6%まで落ちこんだ。「チャリティーを深化させた結果、チャリティーに造詣の深い人は見てくれるが、普段考えない人はどんどん遠ざかっていく。ジレンマに陥っているように見えた」と小杉さんは言う。
転機となったのは、「愛の歌声は地球を救う」と掲げた翌92年だ。
番組パーソナリティには……
小杉さんを含め制作陣は、「…