見つからぬ人口減の答え 気候危機はリミット 「未来世代」の政治を
選挙権年齢が18歳以上になってから9年。コロナ禍もあり、国政選挙で若者の投票率は低迷している。中学時代から気候変動問題に取り組む北海道幕別町の高校3年生、角谷樹環(かどやこだま)さん(18)に政治に求めることを聞いた。
若者の政治参加
2015年の法改正で選挙権をもつ年齢が20歳以上から18歳以上へと引き下げられた。選挙の大切さを教える「主権者教育」も盛んになった。若者の政治参加を促すため、OECD加盟38カ国の過半数で、選挙権と被選挙権を18歳以上で統一している。だが日本の被選挙権年齢は衆院が25歳以上、参院が30歳以上と高いままだ。
「もともと気候変動に興味がありましたが、中学生のとき、スウェーデンで環境活動家のグレタ・トゥンベリさんが『学校ストライキ』で地球温暖化に対する政府の無策に抗議していることを知り、私たちの世代の未来がもう失われかけているんだと認知して、活動を始めました」
「15歳のとき、学校を休んで帯広市のJICA(国際協力機構)北海道センターの前で『もうまてない 未来のために』と書いたプラカードを持って抗議しました。対策を求める団体『フライデー・フォー・フューチャー(未来のための金曜日)札幌』にも入り、前回の衆院選では各政党の政治家とオンライン対談で気候変動に関する質問もしました」
「去年は札幌でG7環境大臣会合が開かれたのに合わせてハンガーストライキをしたり、白老町の『気候フェス』に参加して専門家たちと並んで講演もしたりしました。ハンストの時はインスタグラムに投稿したら、普段は日常会話しかしない友達が頑張って、とコメントをくれて驚きました。でも普段、気候変動はあまり話題になりません。みんな勉強や部活で忙しいから、自分ごとと捉えている人は少ない。北海道は全国的にみれば涼しいので、しょうがないかなと思います」
「学校で政治の話はしません。まだ選挙権がない同級生もいるし、政治について語りにくい風潮があります。私の高校では普段の生活の中であまりモヤモヤを持たない人が多く、持ったとしても政治に結びつけるということを知らないようにみえます。海外だと、子どものころから自分が社会の一員で、意思決定プロセスに加われるということを教わるが、日本ではなかなか教わりません。生徒会の選挙は民主主義を学ぶ上で重要だと思いますが、私の周囲では先生の意向が入り、生徒の自主性が反映されない状況もありました。主権者教育がきちんとされないことが若者が政治に関心を持てない一因でしょう」
「いまの政治に若者の声が届…