人道上の救済策で明暗 日本で生まれ「送還」対象の子に在留特別許可

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浅倉拓也
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 親の超過滞在などで、日本で生まれ育ちながら強制送還の対象となった子どもについて、出入国在留管理庁が8割超にあたる212人に在留許可を出した。しかし、同様の境遇ながら救済されていない子がいる。「子に責任はない」という人道上の特例措置が明暗を分け、動揺が広がっている。

進学目指してバイトで貯金「めっちゃいいですね」

 「アルバイトは何をしよう、どこへ遊びに行こうと、しばらくは毎日ワクワクしていました」。西日本に住む高校生の1人は昨年末、南アジア出身の両親と一緒に在留特別許可(在特)が認められ、目の前が明るくなった。

 それまでは入管による拘束を一時的に解かれる「仮放免」という立場だった。就労や無許可で居住地を出ることはできない。事情は友人に話せず、遠出やお金のかかる遊びの計画があると、話を合わせつつ、言い訳を考え断っていた。

 いまは放課後や休日にバイトをし、友人と初めて旅行もした。大学へ行くため貯金もするという。「経済的に大学は厳しいと思っていたけど、自分で稼いで使えるって、めっちゃいいですね」

 昨年成立した改正入管難民法は、難民認定の申請中でも3回目以降の場合は送還可能とした。一方で、送還対象となりうる子ども263人のうち、212人には在特を出した。ただし、帰国した子を除く40人は「就学年齢に達していない」(26人)「親に看過できない事情がある」(14人)として認めなかった。

 埼玉県南部に住むトルコ出身の家族は、日本生まれの小学生がいるにもかかわらず、今回在特の対象とはならなかった。

 祖国で少数派のクルド人。差…

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この記事を書いた人
浅倉拓也
大阪社会部
専門・関心分野
移民、難民、外国人労働者
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    浅倉拓也
    (朝日新聞記者=移民問題)
    2024年10月19日18時5分 投稿
    【視点】

    この問題には様々なご意見はあろうかと思いますが、当事者のことを少し知ってもらいたいという思いでこの記事を書きました。全員が救済されたわけでないとはいえ、斎藤健・元法相が主導した今回の措置は日本では異例のもので、関係者の間でも高く評価されてい

    …続きを読む