DB盗み身代金要求のハッカーに遺伝研「元々公開、脅迫は無意味」

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村山知博
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 情報・システム研究機構は22日、国立遺伝学研究所の生命情報・DDBJセンターが、国際ハッカー集団から脅迫を受けたと発表した。「身代金を支払わないと盗んだデータを公開する」と脅してきたが、このデータはもともと全面公開されており「脅迫は無意味」としている。

 同機構によると、国際ハッカー集団による脅迫があったのは8日深夜。X(旧ツイッター)で、各国の研究者が登録したDNAやRNAの塩基配列のデータベース「DDBJ」から盗んだとするデータの5%を公表したうえで、「1万ドルを支払わなければ残りの95%も公開する」と脅したという。

 DDBJのデータはもともと無償で公開されており、世界中の誰でもダウンロードできるという。調査した結果、システムへの不正侵入やシステム内部の改ざん、データの消失などの被害は確認されていない。

ユニット長「残念でならない」

 脅迫後もデータ利用のサービ…

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この記事を書いた人
村山知博
科学みらい部
専門・関心分野
天文・宇宙、環境、エネルギー、原子力
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    鳥海不二夫
    (東京大学大学院教授=計算社会科学)
    2024年10月23日10時35分 投稿
    【視点】

    本件はオープンデータが対象であり、不正侵入もなかったようなので、大きな問題にはならなかったようです。しかし、ハッカー集団がなぜこのような行動に出たのかは気になります。 単に非公開データと勘違いして脅迫したのか、それともこのような手口であちこ

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