第1回一番の激戦州「米国の縮図」ペンシルベニア 赤から青へ記者が歩いた

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決戦の地から1 トランプ氏が撃たれた町の「怒り」

 連載「決戦の地から」では、米国の「赤」と「青」、そして、そのはざまにあるものを描きます。激戦州ペンシルベニアに暮らす人々を見つめ、五つの舞台から報告します。このプロローグ記事の後半では、連載5回分のダイジェスト動画も公開しています。

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 近年の米大統領選では、国を二分する激しい党派対立が顕在化してきた。「青」をシンボルカラーとする民主党と、「赤」の共和党との違いは鮮明で、歩み寄りは見られない。

 支持者の「違い」は、生活様式や文化、学歴などさまざまな面で表れる。特に明確なのが、都市=民主党、地方・農村地帯=共和党の構図だ。

 今年も民主党のハリス副大統領(60)と共和党のトランプ前大統領(78)の大接戦となっている。大統領選の勝敗を決める七つの激戦州のなかでも、特に重要なのが東部ペンシルベニアだ。米国全体の「縮図」のような州であり、州の勝敗が全米の結果に最も影響すると言われている「決戦の地」でもある。

 2020年の大統領選で郡ごとの得票率を示した地図をみると、州随一の大都市フィラデルフィアとその郊外、西部の都市ピッツバーグが青い。だが都市圏を離れると「赤」に移行する。古くからの製造業地帯や農村地帯で、こうした地域が共和党支持なのも、米国全体の傾向と同じだ。

 ペンシルベニア州の政治を長…

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