選挙区と比例区で投票先が異なる傾向 識者に東北の結果の要因を聞く
聞き手・関根慎一
与党が過半数割れした10月27日の衆院選。東北6県でも21小選挙区中、立憲民主党が11議席、国民民主党が1議席と野党が勝ち越し、自民党は9議席にとどまった。一方、比例東北ブロック(定数12)では自民が最多の5議席で、立憲は4。公明党は1議席を維持し、国民民主党とれいわ新選組が同ブロックで初議席を得る一方、共産党と日本維新の会は議席を失った。この選挙結果をどう解釈すればよいのか。選挙に詳しい東北大学の河村和徳准教授(政治学)に聞いた。
――全体の結果をどう受け止めていますか。
「自民の中では『左寄り』の石破茂首相、立憲では『右寄り』の野田佳彦代表が党首となり、二大政党が『真ん中』に寄った結果、そこにいた第三極の維新が追い出された。ポジションが空いた『右端』に参政党や日本保守党が入り込み、『左端』での戦いはれいわが共産を制した。本来は低投票率なら組織票のある自民に有利だが、負けたのは逆風もあり組織票を固めきれなかったとも言える」
――自民党の派閥裏金問題が最大の争点となりました。
「自民は問題を解決しないま…