「発掘された日本列島」展が30年 10年ぶりの大阪開催は2館で

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編集委員・中村俊介
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 全国の発掘成果を毎年紹介している文化庁主催の「発掘された日本列島」展が、今回で30年を迎えた。大阪では10年ぶりで、二つの府立博物館が初の合同開催。巡回する中核展示に加え、地元ならではの独自テーマも特集で深掘りしている。

 国内には47万カ所もの遺跡が知られ、いまも毎年8千件ほどの発掘が行われている。特に注目の発見を広く知ってもらおうと1995年に始まったのが、この企画。以来、各地を巡って750余の遺跡を紹介し、「ここで採り上げられて史跡や重要文化財になったものも多い」(長直信・同庁文化財調査官)。

 今回の中核展では、地域ご自慢の遺跡に目を向けた「我がまちが誇る遺跡」として、旧石器時代の石器製作跡、ピリカ遺跡(北海道)など3遺跡を紹介。最新成果を披露する「新発見考古速報」では、縄文時代の大規模な墓である美々(びび)4遺跡(北海道)や弥生時代の再葬墓で著名な墓料遺跡(福島県)、奈良時代の高僧・行基ゆかりの特殊な遺構が確認された菅原遺跡(奈良県)など10カ所をピックアップする。府立弥生文化博物館和泉市)と府立近つ飛鳥博物館河南町)で分担し、解説板には遺跡にまつわる川柳を付すなどわかりやすさにも工夫を凝らした。

 一方、開催地ならではの特色…

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この記事を書いた人
中村俊介
編集委員|文化財・世界遺産担当
専門・関心分野
考古学、歴史、文化財、世界遺産