ハンセン病療養所・長島愛生園で作品展 「入所者も頑張ってます」
北村浩貴
ハンセン病の国立療養所「長島愛生園」(岡山県瀬戸内市)内にある愛生会館で1日、入所者や園の職員らの美術工芸作品展が始まった。四季をテーマに写真や絵画、手工芸、川柳など約120点が展示されている。
入所者自治会長の中尾伸治さん(90)は、瀬戸内海に浮かぶ長島が雪景色になった写真を見どころの一つにあげる。
10代だった昭和20年代後半の正月にも、くるぶしまで埋まる雪が降ったという。門松の竹でスキー板を作り、みんなで坂道をコースに仕立てた。奈良出身で、「スキーをしたことがなくて、曲がれずに転んで泥だらけになった」と振り返った。
愛生会館は、ハンセン病や園の歩みを伝える「長島愛生園歴史館」から徒歩で数分。中尾さんは「(歴史館で)古い歴史も見てほしいし、作品展でも入所者が一生懸命頑張っていることを見てほしい」と話した。
入所者の絵画に見入っていた瀬戸内市の主婦久保田鈴代さん(60)は「なにか未来や希望、優しさを感じて、こちらの心が温まるようでした」と感想を述べた。
入場無料。4日までで、開場時間は午前9時~午後4時。午後1~3時に抹茶の無料サービスもある。