「観光立国」は地方再生の切り札になれない 経済地理学者の警告

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聞き手・田玉恵美
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 大都市などに海外からの観光客があふれています。人口減少時代の成長戦略の柱、地域活性化の切り札として「観光立国」には大きな期待が寄せられていますが、これに警鐘を鳴らしているのが経済地理学者の福井一喜さんです。「観光だのみ」にどんな限界と副作用があるのか。福井さんに聞きました。

観光客が増えた裏で

 ――政府が推進する観光立国戦略の現状を憂慮しているそうですね。

 「観光立国という考え方そのものには異論はありません。日本には大陸アジアと異なる文化があり、治安が良いため富裕層も来やすい。かつて国連がうたったように観光には『平和へのパスポート』という役割もあります」

 「しかし、現状では観光にあまりにも重責を負わせすぎていると思います。観光が経済成長や地方再生の切り札で、すべての地域が潤えるかのような言説は幻想です」

 ――外国人観光客の数は過去最高に達し、知名度がなかった地域が注目されるなど活況を呈していますが。

 「もちろんうまくいくところもあるでしょう。でも、概して成功しているのは東京などの大都市ばかりです。観光で稼げと地域に無理な競争をさせ、疲弊させているのは統計上も明らかなんです」

 「たとえば2012~16年…

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    綿野恵太
    (文筆家)
    2024年11月14日11時6分 投稿
    【視点】

     福島県の会津地方の観光地に住んでる人間としては、非常に納得できるし、興味深い記事でした。  観光客がコロナ禍以降回復しました。インバウンド、外国人旅行客の姿も増えた。けれども、その観光業の発展が地域の人々の暮らしを豊かにしているかという

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2024年11月14日21時57分 投稿
    【視点】

    首肯することが多い記事。「変化に対応した税制改革や再分配が十分にできていないこと」のツケを観光振興に回すな、ということと理解した。

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