トランプ次期政権に反応なき北朝鮮の思惑は 苦い米朝会談の「教訓」
聞き手・鈴木峻
礒崎敦仁・慶応大学教授(北朝鮮政治)
米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利しました。トランプ氏は大統領在任時に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記と初の首脳会談を実現し、今回の選挙中も「(正恩氏と)とても仲が良かった」などと言及しています。トランプ氏再来を、北朝鮮はどう見ているのでしょうか。慶応義塾大の礒崎敦仁教授(北朝鮮政治)に聞きました。
――北朝鮮はトランプ氏の復権をどう見ているのでしょうか。
まだ北朝鮮メディアの反応がありませんが、一つ言えることは、北朝鮮は「譲歩すべきは米国だ」と考えているということです。核を巡る米朝交渉の再開に応じるかどうかは、米国が出す条件次第です。バイデン政権に対して北朝鮮は対話の窓を閉じていましたが、自らにとって有利な展開が期待できるならば話が違ってきます。7月のトランプ氏の演説の後、朝鮮中央通信が「朝米対決の秒針が止まるかは米国の行動次第だ」などと論評したのも、対話の可能性を示すものです。
「恥かかされた」米朝会談
一方で北朝鮮には、トランプ…
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