広島大教授が考える「日本被団協がノーベル平和賞を受賞した意味」

有料記事読み解く 世界の安保危機

聞き手・牧野愛博
[PR]

 日本原水爆被害者団体協議会日本被団協)のノーベル平和賞受賞が決まり、12月10日にノルウェー・オスロで授賞式が行われました。広島大学法学部長の永山博之教授は「被団協の受賞は、光が当たって来なかった被爆者たちにとって喜ばしいニュース」と語り、「なぜ、ノーベル委員会が被団協への授賞を決めたのか、いま一度その意味を考える必要がある」と指摘します。

 ――被団協の受賞について、広島ではどんな反応が見られますか。

 被団協は1956年、第五福竜丸事件(54年)を契機とした反核運動の高まりによって結成されました。原爆投下直後に結成されたわけではありません。被爆者は、放射線被害を巡る根拠のない言説によって差別され、世の中に出ることをためらう時代が続いたからです。

 近年では、北朝鮮などの核実験を巡る報道があるたび、被爆者の方々が広島市平和記念公園で座り込みをし、「核廃絶」を訴えてきました。広島市民はこうした姿を見て来たこともあり、被団協のノーベル平和賞受賞について、「ようやく光が当たってよかった」という声が大多数を占めています。10日の授賞式も感動した人々も多かったようです。

【連載】読み解く 世界の安保危機

ウクライナにとどまらず、パレスチナ情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ270人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。

■授賞理由の意味、「核兵器の…

この記事は有料記事です。残り1934文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

日本被団協 ノーベル平和賞受賞

日本被団協 ノーベル平和賞受賞

2024年のノーベル平和賞に、日本原水爆被害者団体協議会が選ばれました。関連ニュースをまとめてお伝えします。[もっと見る]