何万人もの中国人学生たちが真夜中にサイクリングに出かけたわけ

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Isabelle Qian, Yan Zhuang/The New York Times 抄訳=藤崎麻里/朝日新聞GLOBE編集部
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Why Did Tens of Thousands of Chinese Students Go on Night Bike Rides?

 どこからともなく、何万人もの学生たちが自転車に乗って現れた。まるで公共の場で不特定多数の人が突然集まってダンスや演奏を披露する「フラッシュモブ」のように、彼らは夜通し街灯の明かりを頼りに走り、時には中国の国歌を大声で歌いながら走った。中には国旗を掲げている者もいた。

 彼らは、中国河南省の省都、鄭州市から、隣接する開封市まで、40マイル(約64km)の道のりを走破した。片道5時間もかかるサイクリングの旅だ。なぜ? ただ、走りたい。それだけのために。

 このブームがいつ始まったのかは定かではないが、11月初めには毎晩のように数百人のサイクリストが集まるようになっていた。当初はオンラインで話題になり、共産党機関紙「人民日報」でもこの夜のサイクリングを「若者のエネルギーと体験を共有することへの喜びの象徴である」と紹介された。

 しかし、予期せぬ群衆の出現に当局が警戒を強めるこの国で、週末にかけて参加者が数万人に膨れ上がるようになり、地元当局は、交通と安全上の懸念を理由に中止を命じた。

 この夜間に行われる型破りな行動は、鄭州の大学生仲間たち4人が6月、開封市の名物である小籠包を食べようと自転車で出かけたのをきっかけに始まったと、中国のニュースメディアが報じた。ほどなくして、大学生の集団もこの旅に出るようになった。その背景には、多くの中国の都市でシェア自転車が安価でいたる所にあり、簡単に利用できるようになったことがある。

 学生たちは自然発生的なところと冒険心に引かれたようで、「若さには値段はつけられない」というキャプションを付けて、自分たちの旅の写真や動画をネット上に投稿した。

6月、小籠包を食べに行こうとした4人の大学生が始めた夜のサイクリングがいつのまにか数万人にまでふくれあがりました。はじめは好意的だった地元当局も、一転規制の方向へ。中国で自発的に始まった学生たちの動きへの社会の受け止めに変化が生まれているようです。

 夜間サイクリングの話題を聞…

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