植民地女性との子の隔離「人道に対する罪」 ベルギー政府に賠償命令
ベルギーの高裁に当たるブリュッセル控訴裁判所は2日、同国の植民地だったコンゴ民主共和国の女性とベルギー人男性との間に生まれた子どもを強制的に隔離したことは、「人道に対する罪」だとしてベルギー政府に賠償を命じる判決を言い渡した。
訴えを起こしたのは、ベルギー人男性との間に生まれた現在70代の女性5人。ベルギーは1960年まで、75年間にわたって現在のコンゴ民主共和国を植民地支配していた。ベルギーは植民地時代、現地女性との間に生まれた子どもを「白人至上主義に対する脅威」とし、強制的に母親から引き離して名前を変え、ベルギーのカトリック教会が運営するコンゴ国内の施設に隔離していた。
5人も3~4歳のころに母親から引き離されたという。ただ、コンゴが60年にベルギー領から独立すると、施設は解散。英紙ガーディアンによると、子どもたちは放置され、まともに食料も確保できない状況だったという。
ブリュッセル控訴裁は、こうした強制隔離はニュルンベルク裁判の「人道に対する罪」に当たると指摘。原告敗訴とした一審を覆し、ベルギー政府に対して、損害賠償として1人につき5万ユーロ(約785万円)を支払うよう命じた。
判決を受け、原告の弁護士は…