獅子舞力は地域力 傷ついたまちで教授が続ける写真と思い出のサロン
商店街には、笑顔があふれていた。
石川県輪島市門前町。その名の通り、総持寺祖院の「門前」に商店や住宅が並ぶこのまちで、11月9日、仮設商店街のオープンにあわせて「門前マルシェ」が開かれた。
被災してプレハブの仮設店舗に入った店や、道沿いの出店が、特別メニューを並べる。広場では小学生の鼓笛隊による演奏や、チンドン屋さんのパフォーマンスも。
そんなにぎやかな広場の一角に、写真をたくさん並べたテントがあった。近づくと、「門前思い出写真展」と掲げられている。
赤いジャンパー姿で写真展を切り盛りしていた柴田邦臣さん(51)が教えてくれた。
「門前のお祭りは、獅子舞なんですよ。私も、地域の方にいろいろ教えてもらっています」
柴田さんは駒沢大学(東京都世田谷区)のグローバル・メディア・スタディーズ学部、災害情報支援研究室の教授。能登半島地震が起きた1月から、学生たちと毎月ボランティアに通い、家の片付けなどを手伝ってきた。
そうした活動を通じ、被災の影響で祭りの開催が難しくなり、集落の人たちが集まって話す機会すら減っていることが気になった。
そこで、地域の復旧にあわせて、ボランティアの活動を「地域の記憶を語り継ぐ」内容にシフトしていった。
4月から、街並みや祭りなど…
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