被爆者の記憶、演劇で継承 別役実「象」 7日から静岡SPAC上演

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青山祥子
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 被爆(ひばく)した男の孤独や衝動を描いた別役実の戯曲「象」が、7日から静岡市静岡県舞台芸術センター(SPAC)の舞台で上演される。演出を手がけるEMMA(エマ)さんは「戦争を引き起こす要因と、戦争を終わらせる力の両方が、1人の人間の中に存在すると気づいた。戦争を二度と繰り返してほしくないという先人たちの思いを作品を通して伝えたい」と語る。

 原爆で背中にケロイドを負い、それを見せ物にして暮らしていた「病人」。病院を抜け出して傷を見せびらかし、もう一度喝采を浴びたいと願う。見舞いに来た「甥(おい)」も被爆者で、静かに死を待つべきだと病人を諭す。

 別役の初期の代表作。後にSPACの初代芸術総監督を務めた演出家の鈴木忠志らと結成した劇団の旗揚げ公演で、1962年に書き下ろされた。別役が「グロテスクな喜劇」と称したこの作品は、その後も様々な演出で繰り返し上演されている。

 別役は「日本の不条理劇の第…

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