トランプ氏、シリア内戦めぐり「我々の戦いではない」と非介入を明言
ワシントン=高野遼
米国のトランプ次期大統領は7日、緊迫度が増しているシリア内戦について「これは我々の戦いではない。巻き込まれてはいけない」とSNSに投稿し、米国が軍事的な関与をしない姿勢を明確にした。
トランプ氏は投稿で「シリアの反体制派の戦闘員は、前例のない動きで多数の都市を占拠した。現在はダマスカス郊外におり、アサド政権を崩壊させようと準備している」と指摘。アサド政権を支えてきたロシア軍は、ウクライナでの戦争で多くの犠牲を出しており、シリアで反体制派の進軍を止めることはできないとの見方を示した。
現在のシリアでの混乱は、オバマ政権による対応のまずさが原因だったと批判したうえで、「シリアは混乱しているが、我々の友人ではない。米国は無関係であるべきだ。これは我々の戦いではない。巻き込まれてはいけない」と強調した。
長く内戦状態が続いていたシリアでは、膠着(こうちゃく)状態が崩れ始めている。11月下旬から反体制派の進軍が始まり、北部にある第2の都市アレッポなどを次々と制圧。反体制派の指導者は米CNNの取材に対し、アサド政権の打倒が目標だと語っている。