シリアのアサド政権崩壊 反体制派が首都ダマスカスを制圧
シリアの反体制派は8日、首都ダマスカスを制圧し、「アサド政権を打倒した」と発表した。ロシア国営タス通信は同日夜、シリア大統領を辞任したアサド氏がモスクワに到着し、亡命が認められたと伝えた。20年以上にわたるアサド政権は、反体制派の進攻開始からわずか11日で崩壊した。
同政権の崩壊で、後ろ盾だったイランとロシアの中東における影響力の低下が露呈した。地域の勢力図が大きく変わる局面を迎えている。シリア反体制派は一様ではなく、さまざまな目標や思惑をもった集団が政権打倒という点で一致していた。この地域が安定するかどうかは、独裁政権が倒れた後の新政権がどのように形作られるかに左右されそうだ。
シリアは、イランがレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを支援するための「補給路」としても重要だった。アサド政権の崩壊で、パレスチナ自治区ガザの戦闘や停戦中のレバノンの状況にも変化を及ぼす可能性がある。
北西部イドリブを拠点とする過激派組織「シャーム解放機構」(HTS、旧ヌスラ戦線)が率いる反体制派は8日朝、ダマスカスへの進攻を宣言。反体制デモの参加者や人権活動家らが頻繁に処刑されたとされる、ダマスカス北方のサイドナヤ軍事刑務所を掌握したと主張した。その数時間後、「アサド(大統領)は逃亡した」とした上で「ダマスカスがアサドから解放された」と宣言した。
反体制派は「(父の故ハフェ…
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