核兵器の非人道性を語り継ぎ、核廃絶を訴えてきた日本原水爆被害者団体協議会（日本被団協）に日本時間の10日夜、ノーベル平和賞が授与された。ノルウェー・オスロで開かれた授賞式では、演説した田中熙巳（てるみ）さん（92）のほか、田中重光さん（84）、箕牧（みまき）智之（としゆき）さん（82）の2人の代表委員も壇上に立ち、それぞれメダルと賞状を受け取った。

　現地では、在ノルウェー日本大使館による祝賀レセプションや、核廃絶を求めるイベントが開かれたほか、11日には被爆者らによる講演なども予定されている。

「先人たちのおかげ。慰霊碑にそう報告したい」　広島で被爆、箕牧智之さん

　授賞式で賞状を受け取った広島県原爆被害者団体協議会（県被団協）理事長の箕牧智之さんは、拍手が鳴りやまない中、聴衆に向かって何度も頭を下げた。目には光るものがあった。

　「（賞状は）重たかった」と式後に語った。「先人たちのおかげで、私たちが受賞できた。慰霊碑にそう報告したい」

　箕牧さんは、2021年から広島県原爆被害者団体協議会（広島県被団協）の理事長を務める。10月、ノーベル平和賞の受賞が発表された時は「夢の夢」と、ほおをつねって喜んだ。

　ただ、興奮から冷めて脳裏に…