自民で進まぬ選択的夫婦別姓 「家族のカタチ」が政治の争点になる日
なかなか実現しない、選択的夫婦別姓、同性婚の法制度。石破茂首相のもとで政治は動くのか。
有権者調査を続ける政治学者の秦正樹さんは、家族についての政策が近い将来、改革を象徴する重要な争点になる可能性があると分析しています。
選択的夫婦別姓は、朝日新聞社の世論調査でも7割超が賛成して多くの国民が反対していないのに、実際の政治でなかなか実現しません。ただ私は、家族についての政策が近い将来、日本政治で改革の象徴的なテーマとなる可能性があると考えています。
これまで実現のかせになってきたのは、主に自民党内の力学でした。
民主党政権を経て2012年に安倍晋三元首相が首相に返り咲いたことで、野党時代も支えた自民党保守派の声は相対的に大きくなりました。国会議員だけでなく保守的な党員も増え、政権運営でも無視できない存在感です。
自民党内で岸田文雄前首相は21年3月にできた「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」の呼びかけ人でした。自民党にとって重要な支持団体である日本経済団体連合会(経団連)も今年6月、早期実現を提言した。だが、自民党は変わりませんでした。9月の自民党総裁選で、高市早苗氏が党員票でトップになったのは多くの人にとって驚きでしたが、自民党の変化を表したといえるでしょう。
総裁選まで選択的夫婦別姓に前向きな発言をしていたけれど首相就任後に一転した石破茂首相は、実現に動くでしょうか。総選挙で落選した保守的な議員は多く、変化があるかもしれませんが、党内の力学は残っています。
ただ、自民党が変わるのに時間がかかるとしても、日本政治は大きく変化しつつあります。
私は全国約4千人の有権者を…