「保守」は台頭したのか 高市人気と日本保守党から見えるもの

有料記事自民

笹山大志
[PR]

 9月の自民党総裁選は、高市早苗前経済安全保障相が勝利へあと一歩まで迫った。10月の衆院選では、日本保守党が初めて議席を獲得した。二つの事象を、いわゆる「保守」の台頭だと見る向きがある。これらは、国民の政治意識が変化した結果なのだろうか。双方を取材してきた立場から考えたい。

支持を広げる高市氏、その背景は

 衆院選で10回目の当選を果たした高市氏は早速、動き始めた。

 5日夜、東京都内のホテルに約20人が集まった。いずれも先の総裁選で高市氏を支持した議員らだ。酒を酌み交わしつつ、総裁選から衆院選まで切れ目なく続いた戦いを互いにねぎらう中には、自民非公認で当選した萩生田光一政調会長の姿もあった。

 「ガタガタしていると自民党は野党に転落してしまう。結束して自民党を支えよう」。出席者によると、高市氏はそう呼びかけたという。

 自民・公明両党をあわせた与党が過半数に満たない中、内部分裂すれば野党が漁夫の利を得る。「直ちに倒閣へ動かず、当面は静かに過ごすシグナルだ」。出席者の一人はそう受け取った。

 2012年の第2次安倍政権

この記事は有料記事です。残り2612文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    鳥海不二夫
    (東京大学大学院教授=計算社会科学)
    2024年11月10日0時57分 投稿
    【視点】

    本記事では,高市氏と保守党の台頭を二つの事象として扱っていますが,X上のデータを見から,高市氏支持層と保守党支持層には強い関係にあると推測されます.というのも,総裁選時のX上の投稿を分析すると,高市氏を支持する投稿を行っているアカウントは,

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    辻田真佐憲
    (評論家・近現代史研究者)
    2024年11月10日15時52分 投稿
    【視点】

    ここで言う「保守」とは「安倍支持」ということですよね。安倍政権が長期にわたって続いたことで、「保守=安倍支持」という認識が定着しました。高市氏や日本保守党も、その意味での「保守」の後継者を目指していると見てよいでしょう。 ただ、記事でも指

    …続きを読む
2024衆院選

2024衆院選

ニュースや連載、候補者の政策への考え方など選挙情報を多角的にお伝えします。[もっと見る]