緩衝地帯に部隊展開、大規模空爆 シリア攻勢のイスラエル軍の狙いは

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エルサレム=高久潤 ワシントン=望月洋嗣
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 アサド政権が崩壊したシリアで、イスラエル軍の動きが活発化している。シリアが新体制に移行するなか、イスラエル軍はシリアとの間に設けられた緩衝地帯に部隊を展開させ、さらに一部がシリア領内に侵入。シリア領内への広範囲の大規模空爆にも踏み切った。イスラエルの狙いは何か。

 イスラエルとシリアは対立関係にある。シリアの首都ダマスカス南西約60キロのゴラン高原はその象徴的な場所だ。1967年の第3次中東戦争で、イスラエルが占領し、81年に併合を宣言。国際的にはイスラエル領と認められていないが、当時のトランプ政権が2019年、承認した。緩衝地帯は74年の停戦協定で設置された。

 反体制派がダマスカスを制圧し、アサド政権が崩壊した8日、イスラエル軍は緩衝地帯に部隊を展開すると発表した。さらに、米紙ニューヨーク・タイムズは10日、イスラエル軍が緩衝地帯外のシリア領内に侵入したと報道。「明白な侵入は(73年の)第4次中東戦争以来」と伝えた。

 イスラエル軍の報道官は10…

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この記事を書いた人
高久潤
エルサレム支局長
専門・関心分野
グローバリゼーション、民主主義、文化、芸術
望月洋嗣
アメリカ総局長
専門・関心分野
国際政治、紛争