「イデオロギー対立の産物」小此木名誉教授が語る「非常戒厳」の裏側

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聞き手・牧野愛博
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 韓国国会は14日、「非常戒厳」を出した尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する弾劾(だんがい)訴追案を可決しました。大統領の職務は即時停止となり、内政や外交に大きな混乱が生じるのは避けられない情勢です。軍事政権時代から韓国を研究してきた慶応義塾大の小此木政夫名誉教授(朝鮮半島政治)は「文在寅(ムンジェイン)政権時代の日韓関係に逆戻りする可能性もある」と語ります。

 ――可決の背景には何があったのでしょうか。

 12日の国民向け談話で、尹大統領は非常戒厳の宣布を大統領の統治行為として正当化し、辞任を拒絶しました。法廷で徹底的に抗戦することを宣言したのです。大統領を弾劾し、その後の処置を憲法裁判所に委ねるしか選択肢が残されていなかったと思います。

 ――軍人や政府関係者から様々な証言が出ていますが、どのような印象を持ちましたか。

 興味深いのは、戒厳軍が中央選挙管理委員会に派遣されたことです。大統領周辺は4月の総選挙で大敗した背後に北朝鮮の大掛かりなハッキングや進歩(革新)勢力との不正な結託があったと本気で考えたようです。2020年の米大統領選挙で敗れたトランプ氏の反応に似ていなくもありません。その辺りの真相は今後、明らかになるでしょう。

 ――尹氏は12日に、弾劾も捜査も堂々と受けて立つという考えを語りました。

 朴槿恵(パククネ)大統領弾…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
韓国「非常戒厳」

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