「トランプ前」から米主導秩序は融解 追随国でいられない現実直視を

有料記事トランプ再来 世界の視点

聞き手・石川智也
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 米中対立が激化し、欧州と中東の戦乱で国際情勢が急速に悪化するなか、トランプ政権の再来が決まった。「またトラ」の世界で日本外交は何を目指すべきなのか。膨大な1次外交史料の読解から米国と同盟国との関係史を分析してきた国際政治学者の玉置敦彦・中央大学准教授に、見取り図と指針を尋ねた。

トランプ外交の背後に大きな流れ

 ――トランプ氏の大統領復帰で、バイデン政権が曲がりなりにも改善させた同盟国との関係が、再び悪化すると危惧されています。

 「短期的に見ればその可能性はありますが、背景にあるもっと大きな流れを見る必要があります」

 「確かにトランプ政権1期目(2017~21年)は、米中対立が深まっていたにもかかわらず、同盟国との結束を強化するどころか深刻な対立を引き起こし、米国自らが実質的に築いた国際制度をも敵視しました」

 「ただそれは、オバマ政権期…

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この記事を書いた人
石川智也
オピニオン編集部
専門・関心分野
リベラリズム、立憲主義、メディア学、ジャーナリズム論
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    マライ・メントライン
    (よろず物書き業・翻訳家)
    2024年12月18日6時0分 投稿
    【視点】

    冷戦時代の感覚を引きずった「旧秩序」がすでにオワコンであり、現在その形骸化も甚だしいということはよく言われているが、問題はそれに代わるまともな「新秩序」のデザインが一向に見えてこない点だろう。 この記事では「中国」をポイントに挙げておりそれ

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