尹氏、非常戒厳は合法と憲法裁判所で主張か 不透明化する日韓関係

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貝瀬秋彦=ソウル 河野光汰
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 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する弾劾(だんがい)訴追案が14日、韓国国会で可決された。対応をめぐって激しく意見が対立した与党は立て直しを急ぐ。尹氏の過激な行動は追い詰められた末とみられるが、今後の国政や外交に与える影響は小さくない。

 「国政を安定的に運営するために、すべての力と努力を尽くす」。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾訴追案が可決された後、職務停止になる尹氏の権限を代行する韓悳洙(ハンドクス)首相はこう述べた。だが、憲法裁判所が尹氏を罷免するかどうかを決めるまでの暫定的な体制であり、政府関係者は「これまで以上に国政が停滞する可能性がある」と指摘する。

 韓国の大統領の権力は絶大だ。行政の長として首相や憲法裁判所所長らの任命権のほか、非常戒厳の宣布、法案の拒否権行使など多岐にわたる権限を持つ。軍の統帥権もある。

 そうした権限を首相が代行するが、今後の政局運営は容易ではない。今回の非常戒厳に関して韓氏も野党から内乱容疑で告発されており、捜査の手が伸びる可能性がゼロではない。

混乱のしわ寄せ、国民に

 また、非常戒厳の後に辞任し…

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この記事を書いた人
貝瀬秋彦
ソウル支局長
専門・関心分野
朝鮮半島、東南アジア、核問題、人権問題
河野光汰
国際報道部
専門・関心分野
事件、国際情勢、スポーツ
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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2024年12月15日0時23分 投稿
    【視点】

     尹錫悦大統領の弾劾と職務停止によって、韓国の内政はかなり混乱します。軍、警察、検察、国家情報院といった「暴力装置」を持つ組織の動きもバラバラです。責任の押し付け合いと、権力闘争が複雑に入り交じっています。当事者にとっては死活的ですが、国民

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